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山椒魚・遥拝隊長   井伏鱒二  


「ああ寒いほどひとりぼっちだ!」
注意深い心の持ち主であるならば、山椒魚のすすり泣きの声が岩屋の外にもれているのを聞きのがしはしなかったであろう。

山椒魚』の心の動きは何のか?
自己の愚かさに対する反作用だろうか。
蛙の許しは何なのか?
他者の愚かさを失笑する、知者の許しだろうか。
私にはまだ分からない。


けれど鮒や目高たちのいかに愚かでみじめに見えたことか! 彼らは鰭がなかったり目や口のないものさえあった。私はすっかり満足した。

ヒトの本質や現実を表現するのに、残酷さほど的確なものがあるだろうか。
希望や夢は、どこか偽りの香りがする。
残酷さが、人間の本性なのではないか。


すぐにこの松山まで出かけて行って、木の茂り具合を見て来たいが、遠慮しよう。深林の樹木というものは、幾度も人間に見られると大きくならないものらしい……そういって彼は説明したのである。

神秘とは、ヒトの生み出した神様で、ヒトの思いが形作るもの。
神様こそが、人類最高にして最古の発明だと、私は思う。


井伏鱒二氏の作品には、必要以上のアイロニーもなく、必要以上のロマンチシズムもない。
程々という感じで、純文学らしい読後感がある。
必要以上に早く読んでは、もったいないと感じる本。
物語を寓話ととらえて、教訓や風刺をとらえるのは嫌いです。
本当は、教訓や意味なんて元々ないんじゃないだろうか?

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