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[読書メモ] NHKにようこそ! 滝本竜彦  

NHKにようこそ!
滝本 竜彦
角川書店 ( 2005-06-25 )
ISBN: 9784043747023
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

小説の主人公というのは、基本的に駄目人間である。
駄目人間から、いかにして立派な人間になるかというところに、ストーリーが生まれる。
結果的に「たいして変わってない」なら純文学になる。
そのストーリー上に具体的な敵が出てくるなら、対象となる年齢が下がる。
ただそれだけだ。

駄目人間という観点から見れば、この小説の主人公は、かなりの底辺である。
大学中退で、引きこもり、そしてロリコン。
最低である。




貧乏なのは、自分に金を稼ぐ能力が無いためだし、彼女がいないのは、自分に魅力が無いからだ。(P6)

まったくその通りで、閉口するしかない。
わかっているのに駄々をこねるのは、カッコわるい。
しかし、駄々をこねたくなるのが人というものだ。

あいつらはねえ、真っ当な人の心を持ってないんです。人の形をしていますが、本当は別の生き物なんです。(P81)

現実の女性から2次元へと逃げた山崎を愚かだと言えるほど、強くない。
現実の女性に付随する「おまけ」みたいなものが、たまにすごくうざったくなる。
「一週間も部屋に閉じこもってエロ画像集めてたって‐あんたそれ人間失格ですよ」
男にはエロで暴走することがある。
エロ画像・エロ動画なんて、実際みんな集めている。

革命家になりたかったなぁ、しかしそれは叶わなかった。戦士になりたかったなぁ、しかしそれは叶わなかった。(P255)

結局、人生に「敵」なんてものはいなかった。

もしもこの世に悪者がいてくれたのならば、俺たちは戦った。拳を振り上げて戦った。そうに違いない。しかし悪者はどこにもいない。世の中はいろいろと複雑で、目に見えるような悪者など、存在しない。それが辛く、そして苦しい。(P274)

誰にだって将来の夢や希望があっただろう。大人になっても追えるような夢が、私の「夢」であったならどんなによかっただろう。
26になって思うんだけれど、人生の先が予想できるというのもつらい。
私は現実とどう向き合うのだろうか?




総合評価★★★★

ゲームや漫画には、具体的な敵がいる。
魔王だったり、悪の秘密組織だったり。
そういった具体的な悪者が存在したら、どんなにいいだろう。
自分の人生の駄目なところを、全部そいつらのせいにできたら、どんなに楽だろう。

でも、そんな奴等はどこにもいなくて、現実の敵は結局、自分だったりする。
ドラクエみたいに経験をつめば、パラメータが上昇していくばっかりじゃなくて、時間とともに下がっていくものもある。

主人公は結局何も変化しなかった。
女の子を一人救えただけで、自分自身は得をするようなことはなかった。
その後の人生、彼はずっとこのエピソードだけで満足できるのだろうか?


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